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数寄者の小道具
4月 櫻の茶杓
櫻木の皮肌を生かした茶杓です。櫻は錆肌(さびはだ)≠ニ桜皮細工で見かける皮肌を磨いた磨き肌(みがきはだ)
使い分けます。茶杓には錆皮の方が写りが良いです。ここでは彩漆塗りの枝垂れ桜の棗に添えています。
作品は櫻でも左の右近桜・御衣黄(ごいこう)櫻と呼ばれている櫻を用いています。
櫻の埋もれ節を竹中節に見立て、利休茶杓の作品にある、高い蟻腰(ありごし)℃d立てになっています。
この時期、海松(みる)・緋扇貝入り・花見船(隅田川)・鼓(つづみ)朱塗り薬器などの茶器との取り合わせとなります。
炉縁は櫻の木地組みです。よくお客様より櫻皮肌や松皮付きの小間扱い品を要望されますが、桜、松皮肌は
虫害、炉熱に弱く剥がれやすいためお勧めできません。地味ですが、木地組の方が扱いやすくその分茶器の
あでやかさで演出されると良いと思います。
夜櫻≠フ題の煤竹茶杓です。よく手許にとってみると中節先の折だめ部分、煤竹地に煤の濃淡が上手く
使われていて月に照り出された夜桜を映し出しています。
根来茶器を満月に櫂先(かいさき)の夜櫻≠フ取り合わせ
銘と茶杓の表情がうまく合う逸品です。
正に春宵一刻価千金(しゅんよういっこくあたいせんきん)≠ナす。
茶杓二題 数寄者 畔江漁徒作
25.4.10 東京数寄屋倶楽部 村山元伸