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数寄者の小道具






3月 春の茶杓




最近茶杓と銘≠フ取り合いが残念ながら感心させられる機会が少なく、妙味に欠ける作例を多く拝見します。


茶杓はその形状から得られた銘∴黷ツで茶会の良否、亭主の力量が決まると言われます。「ただ竹で造られた」


と言うしろものや茶杓の決まりごとを無視した物、銘とまったく違う作風など、きりが無い有様です。












銘のれそれ#£|の中節から櫂先にかけての色変わりの部分に虫穴の点があります。この黄色の色変わりの


中の点を目≠ニしアナゴの稚魚のれそれ≠ノ見立てています。


春の朧月(おぼろづき)、白魚(しらうお)とでも見て取れます。



      


銘のれそれ=@茶杓・筒・箱 

数寄者 畔江漁徒作


















春の足音£節の一部に自然の造形の小さな膨らみ(こぶ)が見られ、草木の芽吹きに見立てています。


この時期啓蟄(けいちつ)≠ナもあり、他の銘も連想させます。



     


銘春の足音=@茶杓・筒・箱

数寄者 畔江漁徒作








この方の作品はトンチやパンチが効いていて、銘の表現にも豊かさを感じます。自分から野に分け入り


材料から選び、すべて自分で曲げ、削り上げます。筒もすべて共筒、内箱・外箱も自分で造ります。


口造りの難しさから、「筒は下削りの職人に」という流行(はやり)の作とは、味わいが違います。















25.3.18 東京数寄屋倶楽部 村山元伸