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展示場


「真」の床の間(本床 ほんどこ)







関東間8帖×2間分の広さの西向きに有る床の間です。


間口6.3尺×奥行3.2尺の関西寸法です。本床と言うと皆さんは、床の脇に違棚や天袋・地袋を設け、


脇に書院があるものを真の床の間、本床と呼ぶ、又床の間の位置が左だ右にある物が正式だとか


今でも訳の解らぬ議論ばかりです。本床(ほんどこ)真の床の間の定義は以下の通りです。






@床柱:材種に関係なく四方柾の芯去り材である事。

A落掛:同じく四方柾取りを用いてる事。(@、Aはすべて糸面)

B床框:総塗り、黒色を基本とし、上下に面を取っている事。

C床(とこ):畳床。紋縁付きの龍鬢(りゅうびん)畳表であること。

D床天(床の間天井):杉の鏡板(鉋仕上げ)である事。

E無双四分一(軸掛):二重折釘で三福対が廻縁に打たれている事。





※写真は展示として板畳の蹴込み形式で軸釣りは雲板形式になっています。











この約束事は桃山時代始めより茶の湯の文化を汲み入れ時代と共に様式も多少変われど現代に伝わっています。


茶の湯の世界では鴨長明の言う「市中の山居」は正に貴人を招くこの様式が町家に組み入られました。








床柱:吉野杉四方柾

落掛:吉野杉四方柾

床天井:吉野杉中杢目(なかもくめ)鏡板張り

床:肥松 前甲丸仕上り 蹴込み形式







24.7.13 東京数寄屋倶楽部 村山元伸