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季節の室礼 床の間飾り
五月(皐月・早苗月・多草月)
端午祝ノ儀 その六
矢の陣立に武者人形三体飾りです。
赤い毛氈に二重矢立の陣立がベースです。
昭和四十年代の作品と思われます。この頃の甲冑・兜は源義経の時代、鎌倉〜南北朝〜室町と
続く大鎧(おおよろい)系の作品が多く売られていました。
中央の武者は戦国初期の甲冑・仏胴(ほとけどう)の形式で佩楯(はいだて)共唐獅子・牡丹≠フ
地彫で秀作品です。左右の武者は室町後期の胴丸様式の甲冑です。各兜の前立物はすべて鍬形(くわがた)
ですが、中央は利剣、左は珍しい蛸(たこ)。敵を吸い取る意でしょうか?右は馬蘭(ばりん)と呼ばれています。
利剣前立
蛸前立
馬蘭前立
日本の兜・甲冑飾りは世界に類のないほどバリエーションが豊かに数限りなくあります。
どれ一つとっても人物・由来・様式が様々です。これから五月人形を御買い求める際、歴史考証が
よく出来た秀作品をお求めになると良いと思います。
三体飾りは親子であったり、兄弟であったり、見方によっては子供の夢が広がります。
節句を通じて家族で歴史や人物像などいろいろ語らい、思い出と親子の絆≠ェ深まることを望みます。
25.5.15 東京数寄屋倶楽部 村山元伸