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季節の室礼 床の間飾り




五月(皐月・早苗月・多草月)

端午祝ノ儀 その四



風炉先屏風を床飾りに用いました。弓矢を用いた風炉先は武家の茶道に多いと聞いております。


五月の床飾りは軸・絵画賛や道具組みで重なる場合が多く釜は兜釜・富士形、


茶碗絵は何々と少し妙味に欠ける組み合わせです。







この作品は弓≠テーマにしています。2枚組み上げると風炉先屏風に、単体でも各脚をはかせれば


衝立にも早変わりします。付きあわせの角度を変えて置きあわせを逆にしたりすると違った趣になります。















元々は五月人形飾りの矢立で本物の鷹の羽根を使っていますし、矢は矢竹の煤竹で製作されていて、


上手の仕事がしてあります。腰に京、唐長の大内桐柄が張り込んでいます。藤を巻いた弓


それに弦巻(つるまき)が添えています。これを基に、掻き合わせ塗りの枠材を新しく造り枠内に納めた物です。
















これは創作品です。神代杉(埋もれ木)と杉柾のコアをランダムに積層(張り合わせ)した材を再製材


した板がベースになっています。最初から正確な市松張りでは面白くありません。少し市松がずれた


所があったり、天然木の腐れも景色になります。









透かし彫りの軍扇に日の丸≠ヘ屋久杉の象嵌、弓は時代考証された和弓です。散りばめた矢の中に


戦(いくさ)の合図に用いる鏑矢(かぶらや)を一本配しています。矢先は檜(ひのき)象嵌されています。


この部分は実践では蕪形自体細工(笛)されていて、放たれた矢はボーンと音を立てて飛びます。












この瓦鍾馗(かわらしょうき)は古くは京都新門前通り近くの瓦店で求めた物で何とも言えない


顔の表情・愛嬌があります。各地方により面瓦師により形・顔が違います。今でも


この瓦店はあり、正面全面に瓦を飾った店で有名です。











紙敷:花菖蒲

香合:染付勾玉 子供の身除けのお守りの意味として




茶道の脇役としての風炉先屏風。テーマに添って掘り下げ床に


飾っても充分床飾りとして見栄えがします。








25.5.6 東京数寄屋倶楽部 村山元伸