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季節の室礼 床の間飾り




四月(卯月・清和月・余月)

名も知らぬ千草(ちぐさ)=@旅



四月の中頃より春めいた気候が進み、山野には名も知らぬ数千の若草が顔を出します。江戸の人々はこの期、


陽気に誘われるように、行楽・遊山を楽しみます。この季節はなぜか人々が躍動し始める、そんな人として本来、


本能が持ち合わせていると、つくづく考え感じます。山野郊外・諸国神社・仏閣巡りと現代に受け継がれています。








旅に因み、仏門に仕える若き雲水が修行の旅をする、と置き換えての床飾りです。黄銅色の毛氈を敷き、


床中央に編み笠を置き、杖・仏器三種を置き合わせました。旅の途中足が止まった場面が感じられたら幸いです。










編み笠:実際に使われている禅宗の笠です。雨を返す為、柿渋が塗ってあります。

揮毫(きごう):本来無一物(ほんらいむいちぶつ) 鎌倉建長寺二百十世 吉田正道老師

笠掛木:南天木(難を転ずる)

薹:水車軸洒落材










花:シヤガ・白黄山吹

花器:黄瀬戸

掛板:黒部杉(瀧割板 たきわりいた) 銘荒行













香合:信楽焼笠=@ 紙敷:千草黄銅








香合の替わりに托鉢(たくはつ)=@建水を見立てても面白いと思います。














仏器

如意棒:備前焼

払子:布袋竹に馬毛

数珠:栃の実造り


仏器はそれぞれ人として学び生きる実践の数えとして、仏教・道教・儒教を代表する器を指すと言われます。





杖:(今で言う折り畳式 三本継ぎ) 煤竹製


実際自分の着ている法衣を杖先に広げ夜露をしのいだと言われ、

乞食(こつじき)の厳しい修行をしたと言われています。











ポカポカ、陽気で、どこかへ、のんびり旅を、したいですね!









25.4.15 東京数寄屋倶楽部 村山元伸