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季節の室礼 床の間飾り




四月(卯月・清和月・余月)

春の筍(たけのこ)



筍(たけのこ)は初夏の物で夏の季語ですが、冬から春にかけて地中より顔を出す物を特に春筍(しゅんじゅん)


と呼ばれます。旬(しゅん)の字に竹冠が付くほど竹の子は日本人にとって親しみを感じさせる


春の名物でもあります。孟宗竹を中心に春を待ちかねたように竹林のあちらこちらと愛嬌のある芽を出します。


早い所では三月、四月一杯が旬と言えます。芽吹きの立ち姿は春の鼓動のような


エネルギーを人に感じさせます。茶会でも竹の子を使った懐石膳が多くなります。












淡い山吹色の毛氈を敷き、床中央に竹林の飾り衝立を置き、朝取り立ての筍を籠に飾ったあっさりした


飾り付けですが、細かい所を見ると食欲を誘う竹尽くしの飾り付けでもあります。









熊笹が一番よく写りが合うのですが、ここでは庭にある葉蘭とシダの取り合わせを用いています。












本物の青竹を三本象嵌し、背景を杉柾で春霞(はるがすみ)に見立て地表を屋久杉の笹杢目で表現し、

竹葉を透かし彫り、筍を桑材の彫り象嵌とした凝った造りの衝立です。額飾りでも絵になりますね。


大阪 大石欄間店(特注品)










よく見てください。この場面では本物の筍を使わずに稲塚(いなづか)と呼ばれている竹根を利用した


花入れを飾っています。手許の道具を使い本物の敷葉を使うことで面白い見立てができます。













香合:イチイ材を使った彫香合(筍)

紙敷:竹縞柄の紙敷の取り合わせ

東都 松本宗広作 香薹











身近な皿、ザル、籠に時季の物と敷葉で表現の巾が多岐にわたります。















鬼平犯科帳にも目黒界隈茶店の名物竹の子めし≠フ場面が出てきます。


季節のはしり$ウに旬(しゅん)の床飾りです。










25.4.10 東京数寄屋倶楽部 村山元伸