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季節の室礼 床の間飾り
四月(卯月・清和月・余月)
曲水の宴
もともとは旧暦上巳三月三日に宮中で行われた行事です。庭園の中を走る曲がりくねった水の流れ脇に各人が
座り、酒杯を上流から浮かべ流しその杯が自分の所に来るまでの間に歌、詩を作り流れてきた杯を取って酒を
飲む。歌の下の句をしり取りにしての歌継ぎなどがあり、別席で作った歌を各人が披講(ひこう)し合う
風流な王朝文化の遊びです。
花見と同じく毛氈と幔幕(まんまく)は変えず優雅さの演出の為金屏風を配しました。中央に木造りの厚みの
段差を利用して水の流れに見立て、左右に古式の結び燈台(とうだい)∴齣ホを置き、水屋桶に桜花を生け込み
酔い冷ましの朱塗りの面皮の柄杓を飾り付け、流れに朱杯、脇に酒器・杯台を添えました。
灯火を付ければ夜桜≠ノも演出が出来ます。
茶会で使われる幔幕です。中央に雪輪と流れを表す三本のうねり線があります。これは深川の川を
表現した物です。
流れ台・黒塗りの縁材の中に流れを形取った神代杉の流れを杢目、岸を柾目に見立て厚みの段差があり
桜の花弁で曲がりくねった流れの淵を表現しました。
櫻柄の紙敷に銀製の矢立(やたて)を香合に代わりに。墨入れ部分は雪月花≠ノなっています。
朱面皮の柄杓。酒器は蓋が杯になり、蓋表が雪月花≠ノなっています。
短冊挟み
桑製で白太部分を雪に裏に銀で月を表し、表に櫻で花弁が象嵌されていてこれも
雪月花を表現した物です。
雪月花は日本の四季と日本人の自然への心の感性を表現した言葉と思っていましたが、この季節、天候が
変わりやすく、東京でも夜桜の宴≠ナ急に花冷えで雪がかすかに舞い朧月(おぼろづき)という日がありました。
正に雪月花ですね。
25.4.1 東京数寄屋倶楽部 村山元伸