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季節の室礼 床の間飾り
四月(卯月・清和月・余月)
看花(はなみ)
櫻は国花≠ナす。さ蔵′テく稲作を始めたころ、桜木はすでに存在していて「さくら」のさ≠ヘ田の神を
意味しくら≠ヘ神が座り、依り付く場所を指していると言われています。日本で花を観賞する事は奈良時代に
始まり、当時中国に習い(中国では梅が名花をされていた)梅を観賞していました。時代が進み都が京都に移った
頃から観賞木が梅から桜へ変わっていったと言われています。安土桃山時代に櫻の文化≠ェ大きく開き秀吉の
醍醐の豪華な花見の宴が代表です。着物の模様に始まり調度品、武具・茶の湯道具等、櫻柄が喜ばれ今日の家紋も
多様に作られました。江戸時代に入り桜木の品種改良が加えられ多くの桜が市中に出回り、同時に一般庶民まで
花見遊興が特に盛んになったと言われています。今日、日本中で見られる花見の文化≠ヘ本家の中国にすでに
無く、世界を見渡してもありません。
花見なので屋外にいるように、春のスミレ色の毛氈を敷き、黒文字で作った柴垣を置き、床奥に野点茶会で使う
幔幕(まんまく)を張り、垣根越しに主役の満開の櫻の花木を生け込みました。
宴の料理菓子を入れる法器(ほかい)・酒が注がれた朱杯は桜の脇役です。
櫻柄の紙敷に朱塗りの提灯香合の取り合わせ
朱杯に桜花弁散らし
茶会では(桜の開花日時・天候等)計ったような日の良い茶会に恵まれるとは限りません。室内飾りでも
充分に花見≠演出することが出来ます。花見は人々の心を不思議と昂揚させますね。
25.4.1 東京数寄屋倶楽部 村山元伸