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季節の室礼 床の間飾り
二月(如月・梅見月・初花月・雪消月)
建國の儀≠サの参・その四
床飾りの二題、黄色の軸は大正四年の大正天皇御大典(ごたいてん)の際、一般に売り出された御軸です。
三種の神器≠ェ描かれ宝祚・無窮(ほうそ・むきゅう)≠フ文字が書かれています。意味は「天皇は
臣民と共に極まり、永遠に日本が栄え続く為の心得」軸廻しは細かい花菱紋になっています。
香合:義山菊型 白い奉書を敷き懐石に使われる朱色の杯を上に置き日本の国旗日の丸≠表しています。
お軸は江戸千家八代、一元斎不白の筆で国家君が代≠ェ書かれています。時代背景もありますが、茶家として
おそらく正月や祝日に掛けられたと思われます。君が代≠フ書かれたお軸はめずらしいと思います。
八脚薹の上には戦前の五月人形で使われたと思われる神武天皇(大和を平定し初代天皇に即位)東征の戦いの
出で立ち人形です。長杖の上に金色の鳶(とび)が一羽止まっています。この金色の鳶が放つ光により敵方の兵が
倒れ勝利を掴んだと言い伝えられています。話は少し逸れますが、旧日本陸・海軍で武勲あった兵士に天皇が
授ける勲章が金鵄(きんし・とび)勲章です。ちなみに旧ドイツでは鉄十字章が有名ですね。
この飾り床の香合は菊に因んだ形物や蛤の菊置き香合などがよく合います。
菊置香合:江戸千家流祖川上不白が所持していた香合です。今では採れない大きさの蛤の殻です
奉書一枚、あるいはコピー用紙一枚あれば白地・朱色の杯で国旗日の丸≠演出することが出来ます。
さらに金銀折鶴など置物を添えれば華やかさが増し、慶祝の彩りとなります。
25.2.15 東京数寄屋倶楽部 村山元伸