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季節の室礼 床の間飾り




二月(如月・梅見月・初花月・雪消月)

建國の儀≠サの壱








建国記念日の床飾りです。日本の国の起こりは神話に始まり、初代より万世一系(ばんせいいっけい)125代(今上天皇)


とつながります。世界の他の王族に類の無い歴史、天皇制度でもあり、文化そのものです。日本の最初の天皇(神武天皇)


が即位した日が建国記念日二月十一日です。元は紀元節祭でもありました。












格調高い飾りなので、床に白布を敷きます。床の軸は戦前の宮中延喜式(きゅうちゅうえんぎしき)


天皇一代の大祭即位の儀礼大嘗祭(だいじょうさい)≠フ絵巻絵です。


天皇自ら日本の国家安寧(あんねい)と五穀豊穣を祈る儀式でもあります。














金箔屏風を背に配して(めでたい鴛鴦(おしどり)の屏風押さえを用いています)。神話の時代より代々天皇のみ


受け継がれてきた、三種の神器(さんしゅのしんぎ)。神器はだれも見たことがありませんので、想像で神器を


飾ってみました。三種の神器とは、@「八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)」A「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」


「草薙の剣(くさなぎのつるぎ)」とも呼ばれています。B「八咫鏡(やたのかがみ)」の三種が呼ばれています。






八咫鏡は神木でもある尾州桧の柾材に神代杉で如意・鏡縁を象嵌して指物師に作っていただきました。


中央の絵柄は古代紋の七宝焼の皿を埋めています。八坂瓊勾玉は専門の方に玉(ぎょく)を使い組み編みしていただきました。


天叢雲剣は思ったものがなく、随分と捜し廻った記憶があります。剣は古い時代の型と思いますが、


一応古刀の装いをしているものを飾り付けしています。












天の磐戸(あまのいわと)の伝説の中に出てくるニワトリ≠ナす。美しい鳴き声で磐戸にお隠れになった


天照大神に気を引かせようと声を奏でる役目です。今でも多くの神社でこのニワトリを神史としている所は多いです。


長鳴鳥(ながなきどり)を格調高く紫の袱紗(ふくさ)・黒漆塗り円薹に置かれています。











題目字下に天皇家の紋でもある、菊を一輪添えています。









茶会では女性の席持ちの方が多いせいか道具組みのむずかしさも手伝い、節分の茶会の方が入りやすい事もあり、


建国記念日の茶会はどうも不人気みたいで私自身茶会に呼ばれた記憶がありません。しかしせっかくよき日本に


生まれ育って茶を通じて文化を会得してきたのですから、国の生い立ち、神話も含め見立てでもかまいません


新しい茶会をこの日に開く一考にして見て下さい。


茶をたしなむ男性に歴史に大変興味を持っている方がずいぶん多いと聞いています。













25.2.11 東京数寄屋倶楽部 村山元伸