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季節の室礼 床の間飾り




二月(如月・梅見月・初花月・雪消月)

節分¥り









赤の敷布に琵琶湖の古船の洒落板に鬼の念仏≠描いた大津絵を中心に高麗虎脚膳に奉書を敷き、木曽桧の


升(ます)に豆を盛り、当たり棒(山椒(さんしょう))を鬼の金棒≠ノ見立て柊挿し(ひいらぎさし)≠一升枡に


差し入れた飾りです。豆撒き前の瞬間≠ェ感じられましたでしょうか?










明日が立春と言う日が節分です。新しい春を迎える前日(大晦日に当たる意)昔はすべて四季のはじめは


すべて節分と呼ばれていましたが、今は立春の前日だけを節分と言っています。この日は春に移行する気候の


節目立春大吉∞一陽来復@ヌい歳廻りになるように、家や家族に起こる邪気・悪鬼を打ち払う人々の


願いの儀式です。旧暦の正月と重なる事から、正月行事に似た事が各地方に残っていて豆撒きは災厄を祓う


追儺(ついな)の儀式で本来は大晦日に行っていたそうです。








花入は信楽焼(筒型)・紅白梅枝入れ
















大津絵(おおつえ)

寛永年間(江戸時代1624年)頃から現滋賀県大津東海道の賑わいと共に発達し当初は三井寺の

門前で手産物として始まったとされています。教訓的な絵や風刺画など多く描かれ藤娘∞雷公図∞瓢箪に鯰絵

などありますが、この鬼の念仏#ツ額は節分に合います。


(四代・・・高橋松山書)












豆枡(まめます)

魔(ま)を一生(一升)、滅(めつする)、マメの語呂合わせ



あたり棒

鬼の持っている金棒に豆が当りますようにとの願いです。山椒の木で出来た擦りこみ棒の見立て












柊挿し(ひいらぎさし)

青竹串に弊紙を巻き、水引で結び焼いた鰯(いわし)と柊(ひいらぎ)の枝を差します。

イワシの悪臭と柊のトゲで悪霊(鬼)を追い払うの意。本来は各家の玄関外に掛けます。


















香合

梅花散らしの紙敷に床が鬼なので香合は染付のお多福≠ニおめん≠フ取り合わせ。









豆撒きは鬼やらい∞厄払い≠ニも言われ年男や厄年の人が「福は内・鬼は外」と大きな声で唱えると


効果が増すと言われています。住宅事情の昨今昔のように各家から「鬼は外、、、、」と言う声が


聞かれなくなったのはさびしいです。






25.2.4 東京数寄屋倶楽部 村山元伸