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季節の室礼 床の間飾り




十二月(師走・厳月・氷月)

口福の聖夜



日本の社会に戦後、特にクリスマスの習慣が商業ペースにと共に強く浸透して来ました。それに伴いクリスマス茶会


も多く開かれます。少し前までは数寄者が趣向遊びとして十字釜を始め、南蛮・オランダ物異国の風景文化風俗を


描いた茶碗・水指・香合などの道具組が主流でした。床もキリシタン大名や古いキリスト儀式に因んだ物や最近では


イコンや賛美歌の楽譜などの飾りなどが見られます。今日では茶道具通販物始め、多くの窯元からいろいろなデザイン


物が出品されています。茶の歳時記考えるときクリスマス無しには成り立たない勢いです。











今回の床飾りはあまり宗教色を出さずに少し控えめに飾り付けしました。














中央に十字形の鍔(つば)を持つ西洋の剣(つるぎ)を掛けました。剣と言うと戦(いくさ)の象徴で、


この日にそぐわない感がありますが、よく見てください。剣の中央で刃が折ってあります。


剣よりペンが強しですね。いや聖書ですか!?













敷布の赤地に合わせて剣の元に赤いバラのクリスマスリースをあしらいました。床柱に厳冬に色づいた野バラの


実の房束(ふさたば)掛け口に金色の希望のベルが付いています。













床(とこ)に華やかな黒・溜色の市松敷板に大きなトランプを散らしています。クリスマスキャンドルに見立て


月形の花生に灯を入れています。敷板に合わせ市松模様の紙敷に緑楽焼の聖書の香合の取り合わせです。











こんな床(とこ)の室礼(しつらい)で家族と共にトランプに興じたり美味なワインや食事で特別な夜を演じて下さい。


まさに口福の聖夜≠ナす。











寝しなに子供達に剣≠ノまつわる十字軍の遠い昔のお話を聞かせてやって下さい。












サンタクロースの馬車にいっぱいプレゼントを積んだ古いブリキのおもちゃをあしらっただけで雰囲気がでます。











敷板は塗りか木地かで迷いましたが、屋久杉の柾・杢の木地の方が柔らかい感じがでます。







キャンドルは銀色の月形≠燉ヌいですが、南蛮燭台の方が締まりました。










写真のように茶の世界ではいろいろな用途により、多種類の灯器があります。


なぜかクリスマスと言う洋文化に合う物が少ないです。









ご家族でイブの日に震災復興の大きな希望のジングルベルを心≠ナ鳴らして下さい。
















24.12.23 東京数寄屋倶楽部 村山元伸