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季節の室礼 床の間飾り




十一月(霜月・雪待月・霜待月・神帰月)

露路(ろじ)≠フ題



露地・通路に打たれている渡り石・飛び石がテーマの床飾りです。普通炉開きは10月中頃(旧暦9月)


亥の子(いのこ)の日に炉を開く事になっていますが、歳時記的に冬季に入り、11月に炉開きの茶会を


催す方が多いです。また11月中旬頃に毎年新茶を葉茶壺≠ノ入れて保存していた物を封を切り


茶臼(うす)≠ナ挽いて客に供する茶事として口切りの茶事≠ェあります。








風炉の季節とガラリと雰囲気が変わり、寒さも手伝い茶室に入る際、凛(りん)≠ニした心持ちになります。











江戸千家流祖川上不白86才時の飛石の画です。石の打ち方は雁(かり)¢ナちの図


元々は何かの時に人に乞われて襖に書かれた書と推測されます。迫力があります。











今ではめずらしい屏風あおり止め°G節に合わせ鴛鴦(おしどり)≠ナす。吉向焼十三軒








内露地・外露地と茶苑を持っている方は少ないと思います。都会では贅沢な空間です。昔の茶人は作庭までも


数寄者の心得とし、露地の飛石や植栽は茶事の重要な景色≠ニして大切にしてきました。


招かれる客も心構えとして亭主の庭への思い入れ心入れを汲み取り賞味する気持ちの大切さとして、


あえて露地ではなく露路(ろじ)≠フ題としました。










床飾り正面の石は額見石(がくみいし)です。茶会の趣向や亭主の思い入れを想い返し、軒下の濡れ額(扁額板)


を拝見する重要な石です。見返り石≠ニも呼ばれます。関守石は客の心構えとして心の留め石


に見立てています。季に合わせ石の廻りは赤松の敷松葉≠ニしました。









花器は織部焼の氷柱(つらら)表の模様が飛石を連想させます。花はヤブコウジ・百両


秋名菊の最後の一咲きです












床に露路の奥深さを演出させるため、柴垣を大小二立に配置しました。








間仕切りの用としての衝立を床に持ち込んで一軸の絵としました。いかがでしょうか、皆様もいろいろな


用≠フ道具を見立てる事により、面白い効果が生まれます。

















小置灯篭
















露地行燈


















茶臼(時代宇治川石)









11月の茶事により夜咄し∞口切リ≠ネど小灯篭・露地行燈・手燭・茶臼など、身近な脇道具を


使って床飾りをもっと楽しんでください。







24.11.22 東京数寄屋倶楽部 村山元伸