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季節の室礼 床の間飾り




十一月(霜月・雪待月・霜待月・神帰月)

錦秋(きんしゅう)







何と言っても11月は紅葉(こうよう)の季節。山から順に里に降りてきます。各地紅葉の便りが聞かれます。


11月中頃、東京では銀杏(いちょう)がようやく黄色の色付を見始めた頃です。蔦(つた)が赤く


色付くのを待って待って、床飾りを始めました。多くの説明は必要ありませんね。






まさに錦秋です。










@錦秋に合わせ赤の敷物を敷きます。


A地方の旅行時に骨董店で買い求めた物です。祭りの山車(だし)の車輪か又、御所車の解体品かも知れません。











このままですと立て掛けてインテリアしかならず、車輪を安定させる置台を新たに作りました。





車輪の軸先をデフォルメしたデザインで溜色仕上がりです。これに各季節に合わせた生花を活けようとすると


ドライフラワー以外無理が生じます。正面から見据えた時、花器が邪魔しないよう配慮し、裏に花生箱を


二つ設け、さらに段差を付け左右反対床柱の位置で据え変えられるように工夫しました。



















B東京新木場でも色付き始めた蔦を紅葉の枝木と合わせ活けた所です。もちろん紅葉(もみじ)は


イミテーションですが、本物を少し取り入れる事により、床の表情が変わります。都会の床飾りでは


よく出来たイミテーションと本物とのコラボレーションは止むをえません。


草花と違い、大切に育ててきた庭の木々は茶人として折って生ける事は出来ません。













C柱付飾りに中古品の琵琶(びわ)をリメイクした物を添えて秋が深まり紅葉の下、


琵琶の澄んだ音色だけが聞こえてくる雰囲気が感じられましたでしょうか?












D紙敷はオリジナル品各紅葉の色の違いの帯≠イメージした物に紅葉(もみじ)の金蒔絵の香合です。











茶庭にあまり落葉樹を植え込みません。席入りした方々が、アッ!!≠ニ感じる瞬間を想像して、


亭主は悦≠ノ入れば満足です。



都会の床飾りは本物らしく見える草花をうまく使うことをお奨めします。










24.11.15 東京数寄屋倶楽部 村山元伸