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季節の室礼 床の間飾り



六月(梅雨・水無月・早苗月)

「雨を楽しむ」 和の飾り









市販されている舞踊の「蛇の目傘」を使います。踊り用品の専門店が浅草には数十件あります。


いろいろな柄の品数の内、なるべくシンプルな物を選んだ方がすっきりします。


ここでは赤と青の昔からある物を使いました。傘は開いてただ置くだけでは床の間の天井高との


バランスの「間(ま)」がとれません。1本の傘を開いて正面に据えるのに苦労しました。


釣糸を使って吊っているのではありません。まず杉板の24_厚(傘を支える重さが必要です)を垂撥形に


造り傘の柄(え)の部分が入る径の竹を板に埋め込みます。埋めた竹筒は少し上の方へ角度を付けます。


水平ですと空調の風などが災いし落下することがあります。










写真にあるように市販されている竹自在に一工夫加えますと奥行のない玄関や寄付飾り用にできます。










中央に剽軽(ひょうきん)な顔立ちの石彫品の蝦蟇ガエル(がまがえる)を水に因んだ水車小屋の古い


歯車を敷板にしています。ガマガエルが傘を肩越しに振り向き際に来客へにっこり微笑む姿で決まりです。








傘の数は「陰陽五行」を取り入れ3本か5本の大小の方が良いと思います。偶数では不思議と決まりません。


カエルは一年に一回の出番です。庭の片隅に置く場合は必ず背中を外にして置きます。なぜなら


直置きしますとカエル全体が苔むして、カエルのお腹が白く見えずコントラストが付かなくなります。




香合は今回は飾りませんでした。この季節の香合は何点か手持ちがありますが、傘に傘では重なり合います。


言葉の遊びでミニチュアの蛇の目傘を香合がわりに紙敷はあえて蛇の目尽くしとしました。







24.7.21 東京数寄屋倶楽部 村山元伸