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季節の室礼 床の間飾り
六月(梅雨・水無月・早苗月)
「雨を楽しむ」 洋の飾り
市販されている洋傘で子供のなるべく「かわいい」ものと、いろいろ捜しましたがラルフローレン製の
クラシック風で夏のイメージを持ったリゾートタイプのものが一本ありましたが、商品の多くがアニメや
マンガの世界で今回のテーマには向きません。ようやくネットでフランス製の「天道虫(てんとうむし)」の
面白い物が手に入りました。中央のメインの飾りはガレ作の蝸牛(かたつむり)の卓上ランプです。
ブロンズの背中の貝の部分がガラスで淡いオレンジの色彩を放ちます。夜の茶会にもムードがあります。
これを用いてもっと絵になるようにと枯れた木材の上に乗せる為、いろいろな木の組み合わせを試みましたが、
ピリッとしません。1年近くの間にビルマ産のチーク材(ジャングルの中に放置されていた物)幹が空洞になった
枝とを見つけ、やっと組合すことが出来ました。
木の幹に白くなっているのは「かたつむり」が這って移動した跡です。
中空の「てんとうむし」の傘の下、枯れた台木に3匹の蛙が雨上がりの
束の間に煙草で一服している構図です。
来客の方が納得する「雨を楽しむ」のジオラマの床飾りが出来上がりました。
カタツムリの這った跡の演出に当初クリスマス時に使う、スノーパウダーも使ったりしましたが、
一番リアルだったのはガラスの板にラップを敷き市販の文具用「アラビア糊」を蛇行させながら
落とし込み、乾燥後木の幹に張り付けた方が見栄えがしました。
遠近を出すために、釣糸で吊った傘を床の間天井板の中心より手前で吊った方が良く見えます。
香合:煤竹傘香合 畔江漁徒作
紙敷:「蛇の目傘尽くし」オリジナル品
竹の香合品は種類に関係なく合わせ口の竹の肉の厚みの出来るだけ厚いものを
選んでください。薄いものはノペッとした感じになります。
24.7.21 東京数寄屋倶楽部 村山元伸