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江戸の風一人事


巳歳


私事で申し訳ありませんが、本年で60才を迎えました。干支が癸(みずのと)・巳歳生まれです。


若い時は遠い話の事と思いつつ、50歳になり(命を知る歳とも言われます。)アーっと10年が過ぎ還暦を迎え


改めて年齢の歳時記を感じます。









白蛇のおみくじ




巳歳に因んだ品を捜していましたら、山口の方へ旅行した友人より頂いた品です。岩国の地は米処で、


400年前より良米の産地で多くの米倉のネズミを捕食していた地蛇のアオダイショウ種の変異で(アルピノ)


白色の白蛇が多く棲む地域で、現在国の天然記念物に指定されています。頂いた12月、偶然岩国白蛇神社の


記事が朝日新聞に載っていて社殿が新しく建立されたことや由来など、ヘビ信仰についての記事が書かれていました。





このおみくじは社務所で白い小箱に入って売られていて、開けると、みくじをくわえ、とぐろ巻いた陶器製白蛇が


出てきます。口からみくじを引き抜き、開けて年を占い、良くない事が出れば、中に忍ばせてある赤い願い紙に


願いを書き、白いみくじの上に赤紙を二重巻きにし、口元に差し入れると、巻物をくわえた神の使いの白蛇の


置物に早変わりするという優れものです。他の神社のみくじの扱いとまったく違い、斬新でアイデアに富んだ


品は他に見たことがありません。







巳歳に因んだ寿老人掛け軸 矢部嵐渓絵




寿老人の画です。寿老人の持つ杖(つえ)は人の寿命を測るといいます。八百万(やおよろず)の神の先導役として


の白蛇が杖に絡み人の徳を積む記録と命運が書き込まれた巻物がぶら下げられている絵です。





巳#Nにまつわるおはなしです・・・・




山口県岩国市今津地区岩国白蛇神社











25.2.9 東京数寄屋倶楽部 村山元伸