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数寄者の小道具






9月の茶杓 萩




秋の七草(ススキ・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ・ハギ)、この中で茶杓として


何とか削り上げる事が出来るのは萩以外見当たりません。








山萩の花芽・萩茶杓・萩の幹材






春の花の名所の多い事に比べ秋草の名所と言って思い出す場所は今日の東京都内ではほとんど見当たりません。


私の知る所では江戸時代より東都歳時記にある百花園と萩寺として知られる龍眼寺が残るだけで寂しい感です。


百花園は江戸文化年間に佐原鞠塢(きくう)が開園し、当時親交のあった大田蜀山人を始め多くの有名文化墨客が


集い梅や秋草を始め四季の草木を楽しんだと伝わっています。現在30m近い萩花のアーチトンネルがあるのが有名です









紙敷:秋草二題

香合:虫聞き(竹籠) 陣笠(武蔵野)

蓋置:義山葡萄

茶器:月見(金輪寺)






秋口には虫聞き、月見と趣向の多さも手伝い茶会・大寄せ茶会も多くなります。この茶杓ですと道具組も


しやすく調和も取れると思います。いろいろな秋の場面にも対応できる茶杓です。


9月の茶杓山萩℃ゥ作品です。


ひねって紅・白花の接木した幹で製作しようと思いましたが・・・。







秋は作物の収穫期と重なり、米の初穂も出廻り始めます。五穀豊穣、神への感謝、祈りの祭事が


各地で盛んに行われます。






銘豊年踊り=@山萩茶杓


煤竹の茶杓は雀踊り傘笠をかぶり女性達が楽しげに踊っている姿がみて取れます。櫂先露に角度ある捻りが入り、


女性のおちょぼ口とも似ています。竹筒の杉詰栓の脇に偶然と思われますが、天然の針節を生かし削り出していて


一粒の米籾(もみ)が付いているようです。詰栓にも景色があり興味ある作品の出来となっています。



豊年踊り$矧者畔江漁徒作











秋祭りに因み茶器 一閑張り大平棗巴

金蒔粉塗り菊花

朱塗り祭り太鼓








茶器:朱赤塗り 鼓(つづみ)

秋草絵(黒柿八角)

松木茶器(利休好み)(松茸狩り)

香合:赤祭り提灯

義山菊花

色絵琵琶

笛(竹根)

琴(花梨)

黄瀬戸秋菊





初秋から重陽″ユり・名月・秋千草・秋味の産物茶会の趣向選びに困るほど盛りだくさん。


数奇の遊び心探しに適した季節です。











25.9.15 東京数寄屋倶楽部 村山元伸