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数寄者の小道具






涼≠呼ぶ小道具 その弐 薄板









宗全籠・夏花入

薄板:日光杉剥ぎ板




薄板(うすいた)は茶室の畳床のみ使用するのが基本です。置かれる花器・花入に格(真・行・草)があり、


それに合わせる薄板にも格があり、取り合わせる事が約束になっています。








真の格の花入(古銅・唐銅等)


黒の芯塗り、正、長方形が基本で薄板の側部分が矢筈(やはず)形になった

物を使用し矢筈の広い方が上になります。







行の格の花入(青磁・染付・釉の掛かった物)


真塗り溜色・掻き合わせ塗りで側が蛤端(はまぐりば)、貝の口になっているものを用います。







草の格の花入(国焼等、釉の掛かっていない物)(籠花入)


木地物で側が蛤端になっている物を用います。











夏場、多く用いられる籠物は薄板を用いないと言われていますが、花その物、生け込む姿によっても


涼を感じる事があり大切な茶室(養生上のこともあり)ですので、私はあえて籠物であっても薄板を敷きます。













格を持った塗り物の薄板



真行草の基本の薄板に始まり、さまざまな形の薄板があります。


涼や季節感から地紙(じがみ・扇面)・七夕などには糸巻き形などをあえて使ってみると面白さが感じられます。
















木地物の薄板の種類は数多く有り、昔から数寄者には好まれてきました。


涼を感じる#又ツをあえて選んだ写真です。





壁付左より、網代(筏流し編み)・杉皮板・竹ヒゴ赤色編み・水車歯車・水車洒落材小物・薄板・滝割板

車軸・懸魚(けぎょ)古材(五三桐)・白杉・黒柿呼び継ぎ板・栃(縮緬杢)板等





例を上げたらきりが無いほど多くあります。中には敷板


と思える厚みある材をさり気なく薄板使い∴オいも出来ます。





基本を通じてあえて試みも大切です。小道具の中で涼を感じさせる物はいくらでもあります。


定石にとらわれず、守・離・破≠煌本です。








薄板の木地は必ず水で濡らすのが基本ですが、濡らした後の処理でカビが生えたり、


板が反ったと言う話をよく聞きます。基本もほどほどですね。








25.8.18 東京数寄屋倶楽部 村山元伸