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数寄者の小道具






7月 山桃(やまもも)の茶杓









山桃は日本各地、特に海岸部に自生していて、人家、庭にも常緑樹として植えられています。


最近はビル、ホテルのエントランスや一部街路樹としてもよく見られます。


花は4〜5月頃に咲き、6月終わりから7月頃に赤い実を付けます。







果実酒、山桃の枝葉、果実









採りたての果実は赤く熟すと暗紅紫色になります。果実酒に漬け込む方を多く見ます。皮をむいて乾燥させた


物は楊梅皮(ようばいひ)と呼ばれ漢方薬(下痢・打撲)などに用いられます。実は生食しますが、甘酸っぱさを


感じますが、この実をシャーベットにしてカリカリかじって食すると、こんなに美味しい物かとビックリします。


ヤマモモで有名な伊豆高原に住んでいる方から教えて頂きました。御一考まで!














山桃は生木時はもろく、折れやすいので充分乾燥させてから茶杓に削り上げる事をおすすめします。


切り止め部分に枝跡を残しての作品です。何でもないようですが、この枝跡があるのと無いのとでは


表情が一変しますから茶杓削りは難しいです。







七月は七夕∞京都祇園祭≠ネど茶会の題材に事欠きません。






左より棗、糸トンボ・水すまし・ほたる・亀蔵・輝光・踊り桐





義山茶器に行く前、写真のような小さな虫の世界で面白い取り合わせが出来ます。山桃の茶杓に踊り桐の平棗の


組み合わせ(桐は夏の季語でもあります)が私好みです。桐の茶杓にもチャレンジしましたが木の持つ導管が荒く


仕上がり面に抹茶の粉が付きやすい欠点があります。七月は七夕≠ノ始まり、自然≠フ物同志の組み合わせ


が面白いと思います。七月ヤマモモ≠フ茶杓です。











25.7.29 東京数寄屋倶楽部 村山元伸