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数寄者の小道具






1月



今年の干支の巳≠ノ因み写真右の茶杓は世界でも貴重な材と言われている、南米ギアナ産のスネークウッド


(別名タイガーウッド)と呼ばれていて縞目・縮緬・筋目模様がきれいな杢目柄です。材の使い方としては珍しく


茶杓として削り上げた品です。葉巻とステッキ姿で有名な吉田茂元首相や外交官の白洲次郎氏の愛用のステッキ


もこの材より得られた品々です。左の茶杓は松″゙より削り上げた物でおめでたい席にはピッタリと思います。


スネークウッドの方は干支の虎・巳歳の両方にも使え、珍しさから席中の話に花が咲きます。







両茶杓共真の型≠ナ薬器の匙(さじ)の形です。


茶杓二題:数寄者 畔江漁徒作












めでたい席に同じく松≠フ炉縁です。松は松でも唐松(からまつ)″゙から作られた品で、ヤニ松・女松


とも違い、あっさりした柾目、端正な味わいの炉縁です。













炉蓋の作品です。脂松(やにまつ)と呼ばれている男松・黒松から作った作品で経年変化により飴色¢ムびて


来ています。何といっても杢目に雄々しさがあり、男性的な張のある杢目柄です。












茶室小間における隅炉・向切席の壁際に入れる無目板(むめいた)と呼ばれる物で栗・黒柿など席中や炉縁


の取り合わせ、雰囲気に合わせ入れる材です。炉中の火≠ノ対する除けの意味もあり、さり気ない板ですが、


視覚的に気を遣う材です。写真は赤松(女松)の持ち味である華奢(きゃしゃ)な感じの杢目です。






高砂の松・相生の松・若松・老松等、日本人は松に対して思い・想い・気持ちをはせてきた歴史があります。


茶道具の世界でも小さな香合から盆類・棚板まで松の材を使った数多くの作品が見られます。


一月には松≠ェふさわしい感があります。











25.1.31 東京数寄屋倶楽部 村山元伸