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季節の室礼 床の間飾り




十一月(霜月・雪待月・霜待月・神帰月)

紅葉狩り



秋も深まり寒さも感じる頃、山野を織りなした錦の帯≠燉tが舞い降りる時です。前回に続き


床の間にめずらしい構成の屏風を持ち込んでの床飾りです。





屏風の金箔下地に一本の枝振りの良い紅葉が描かれ、小鹿を見守るように親鹿が・・・・・・


これが何と親子鹿すべてが焼物で出来ていて落款も焼物で埋め込まれています。


木工象嵌の細工絵のように生き生きとして大和絵に溶け込んでいます。











昔自然がもっと身近にあった時代、秋は鹿の恋の季節でもあり雄鹿同士の角合わせ≠フ音


静寂な森に分け入った時キーン、キーンと鹿の鳴く声を想像し感じて頂けたら幸いです。

















紅葉の葉のイミテーションと赤く染まった蔦を古丸瓦の花入れと取り合わせました。









紙敷はオリジナル品山野の香り≠ニ源氏香柄です。


秋も終わり銀杏や紅葉の葉が黄色や紅(べに)をさすように散るさまを、


俳句の季語で黄落(こうらく)と呼ばれます。「黄落」と「行楽」を


掛けて香合を駕籠(かご)型の真塗りを合わせました。











屏風は尾形乾山の弟子筋に当り六世乾也、江戸の陶工三浦乾也造り、多才な方です。









紅葉に鹿柄の鉄製置行灯などうまく配置しますと夜会の景色となります。













紅葉狩り≠ノ因み鹿角(かづの)の茶杓です。銘は神使#虫ュの養老の泉の伝説や春日大社や


厳島神社の神の使いでもあります。神事に限らず秋に用いても良いですね。







竹筒の口元にも鹿角、〆印(しめいん)にメキシコ青貝



角細工師 榎本幸雄造り











24.11.21 東京数寄屋倶楽部 村山元伸