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季節の室礼 床の間飾り




十月(神無月・神去月・神在月・良月)



旧暦の10月は、陰陽五行説から玄英月(げんえいづき)とも呼ばれます。玄武は北を意味しその水は黒く


北から発して北は冬を表します。英(えい)とは冬の始まりを意味するそうです。このように書いている


私も旧暦と新暦の境をどのように床飾りに反映しようかといつも悩みます。とにかくこの月は日本中の


神が出雲に集まり1年の話し合いをするので、諸国各所は神無しになると昔から信じられていました。


この月は新穀で新酒を醸す月でもあり、この事から醸成月(かんなんづき)が転じた言葉と言う説もあります。


子供心に全国の神がいなくなるのにどうして各地にお祭りがあるのか不思議に思ったものです。





神無月の床飾りは、頓智(とんち)をきかせ少し拈(ひね)って飾り付けをしました。






大きな煙管(きせる)を主に、煙管模様の手拭い、江戸趣味の手拭い掛けにも煙管の透かし彫りが


施してあります。つまり神が居ない間の一服と洒落た飾り付けで単純明快の煙管尽くしの床飾りです。








秋の日は釣瓶(つるべ)落としと言う、たとえが有るように日が落ちるのが早く感じられ何か


もの悲しさがあります。今年は夏が長い分自然や正直でこの床飾りをする頃にはようやくススキの穂が


いたる所に出始め、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)も彼岸遅れで咲き始めました。まだコオロギが最後の


一声を出している様子ですこのような月は一度ゆっくり考えに耽り、ゆったりとした刻(とき)の流れ


を感じたいと思います。








煙管


地方に行ったとき古民具店で求めた物です。長さは二尺(60p)程あり、看板としてどこかの

煙草店で釣り下げられていたのかも知れません。黒塗りの台座を新しく製作しています。










手拭い掛け


江戸指物で最後の桑樹匠(くわじゅしょう)と言われた竹内不山氏の作品です。袖に透かし彫り

管の部分は煤竹の象嵌(ぞうがん)になっています。










手拭い


浅草の江戸趣味の方は誰でも知っている川上桂司氏の店で買い求めた物です。










花入れ


花は時の物、花器は唐津三島で掛花入、扁瓶で掛け用のアケビのつるが廻っています。

つるは自然の物なのでなかなか型通り掛けられない事もあります。

置くことが出来ない形なので肥松でこの花器に合わせて置台を指物師の方に作ってもらいました。





花器置台:溝上藻風作









24.10.9 東京数寄屋倶楽部 村山元伸