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季節の室礼 床の間飾り



六月(梅雨・水無月・早苗月)




私は梅雨となればまず「蓑(みの)」と思います。

日本では平安時代には、すでにあったと言われています。

材料も土地土地によって違っており、稲わら・スゲ・カヤが主流ですが、

コジ・ブドウ・シナの木等の樹皮で編んだ東北地方の物や、南はビロウジの葉で編んだ物まであります。

この「蓑」は私のルーツである富山県八尾市の古老に編んでいただきました。

この床に合わせる為、わらの長さを少しカットしました。古い蓑も床飾りに合いますが、

なるべくきれいな新作の方が良いと思います。これに「わらじ」を

添えると、一変に居酒屋になりますので注意してください。

うっとうしい季節ですが、「雨を楽しむ」の題が有ると無いとでは、大違い、

楽しい気分になれます。傘が一般化する江戸中期までは生活必需品です。











真塗りの飾り台の上には、銀製の「蓮の葉に座禅蛙」(銀工師 河内光昭作)です。

晴耕雨読の感も良し物思いにふけっても良し

ちなみにこの蛙は見立てで、「水指の蓋」でも使います。







香合は「蛇の目傘(永楽造)」で少し大振りです。

紙敷はオリジナルの「水紋に亀の子」

まさに「雨を楽しむ」です。



茶事では外腰掛待合に小振りの「蓑」飾りにも使え、

本席は色鮮やかな蛇の目傘尽くしも「ハレ」の気分の茶会になります。

茶庭に紫陽花があれば掛け軸は必要ありません。




24.6.25 東京数寄屋倶楽部 村山元伸